子連れ恐竜オタク、ヨーロッパの博物館を行く。

恐竜オタクの目線でヨーロッパの博物館をご紹介します。

ヘルシンキ自然史博物館(フィンランド・ヘルシンキ)

ヘルシンキ自然史博物館と聞いてまだ記憶に新しい方は多いのではないでしょうか?

少し前にこの博物館に展示されている古代魚「サカバンバスピス」の復元模型が可愛いとネットで一時期話題になりました。

サカバンバスピスの紹介記事↓

www.sankei.com

実はサカバンバスピスが話題になる少し前にこちらの博物館を訪問していましたのでご紹介いたします。

 

ヘルシンキ自然史博物館(Luonnontieteellinen museo)はヘルシンキ中央駅から歩いて10分の比較的ショッピング街に近いところにあります。

クマさん「はい、いらっしゃーい!」

入り口で大きなゾウのはく製がお出迎え

白亜が美しい階段。よく見るとオパビニアとハルキゲニアのアートが。

戦うギガノトサウルスとシュノサウルス。

展示室は1階から3階まであります。3階の吹き抜けホールに恐竜コーナーがあります。

このホールのメインはギガノトサウルスとシュノサウルスですが...

ギガノトサウルスはアルゼンチン産の恐竜でシュノサウルスは中国産の恐竜です。

時代も出身も違う二人がこの北欧で出会い...ってどういう組み合わせ?

何はともあれ美しい展示です。

同じフロアに例のサカバンバスピスがいらっしゃいました。(←サカバンバスピスが覚えられないからあえて何回も書くw)

古代魚のコーナーの一部にいらっしゃってました。

そんなに気にも留めていなかったので後で写真を拡大して確認しました。まさかこんな小さな模型がバズるとは世の中面白いですね。

2階はガラスケースに入った動物のはく製コーナーです。

躍動感があります。

地球を守ろう!

そして1階は魅惑のホネホネコーナー。

ホネホネ大行進

おしりからのショットもどうぞ。

ステラーカイギュウ。レプリカにしては出来がいいなぁなんてマジマジ見てたら。

当時ロシア領だったアラスカ州の知事が寄贈した本物の骨だそう。まじで!

まさかこんなところで世界でも数少ないステラーカイギュウの本物が見れると思わなかったから本当にビックリした!

伝わるかなぁ。この美しさ。

あまり大きくはない博物館ですがギガノト&シュノがいたり、実物のステラーカイギュウがいたり中々オタク好みの展示でした。

最後のショップはこの規模の博物館にしては珍しくオリジナルグッズがあり、それがもう一目ぼれ♡中々の可愛さです。

博物館のカフェのマグカップはさすがのアラビアでした。(買ったマグはアラビアではありません。)

このコミカルな感じがとても可愛い♡ギガノトとステラーカイギュウがなお良し。

キリがない わかっているけど 増えるマグ

 

ヘルシンキ自然史博物館(Luonnontieteellinen museo)

ホームページはこちら↓

www.luomus.fi

地図はこちら↓

 

ヴェネツィア自然史博物館(イタリア・ヴェネツィア)

イタリアを代表する一大観光地ヴェネツィア(またはベネチア、ベニス)。

ここにもあまり知られていませんがヴェネツィア自然史博物館(Il Museo de Storia Naturale di Venezia)があります。

ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅から歩いてすぐの水上バスのターミナルから

水上バスで10分くらいのところにあります。

メインの水路カナル・グランデ沿いにあるので水上バスから見えます。外壁の写真は撮り忘れました。

もちろん建物は水路のすぐそば。

高潮で浸水しないのかと心配ですが展示室自体は2階ぐらいのフロアにありました。

1階の廊下にはクジラの骨格が展示されています。

トラス状の組み方が美しいオウラノサウルスの実物全身骨格化石。

化石コーナーはイタリア産を中心にヨーロッパの化石が展示されています。

イタリア産の魚の化石、白い母岩でとても美しい。

ここの博物館の特徴としては場所柄なのかアフリカ由来の展示物が多いこと。

そして標本というよりも美術品要素の強いものがそのポテンシャルを保ったまま、美しく展示されているという点です。

(多くの標本にはキャプションがありません。)

自然史博物館にいるということを忘れるような不思議な空間です。

アフリカに関係するものが多く展示されている。

部屋一面のはく製。赤い壁が映える。

もはや自然史博物館を域を超えている気がする。

ただただ無造作に並べてあるだけなのに美しいと思うのは何故だろう。

人魚もいます。

こちらの部屋は昔ながらの標本がずらり。

この黄ばんだラベルがいい味だしてます。時代を感じます。

もちろん骨格もお忘れなく。あーこのホネホネ感たまりませんね。

サメちゃんもいらしゃいます。

ハチに関しては世界最大規模のコレクションだそう。

今どきな展示もあります。これは飛ぶをテーマにした部屋。

上質な翼竜の頭骨が展示されています。

この博物館を訪問して、私の中に従来あった自然史博物館イメージが吹っ飛びました。
この独特の雰囲気はヴェネツィアという魅惑な町に非常に合っていました。

本当に訪問してよかったです。

 

ヴェネツィアに来てまで自然史博物館に訪れる人は中々いないかも

しれませんが(現にお客さんがほとんどいなかった。)、

自然の美を感じられる素晴らしい博物館です。

もし訪れる機会がありましたら是非足を運んでほしいです。

 

 

ヴェネツィア自然史博物館(Il Museo de Storia Naturale di Venezia)

ホームページはこちらです↓

msn.visitmuve.it

地図はこちら↓

 

お、バンクシー

ハウフ博物館(ドイツ・ホルツマーデン)

前回はドイツ・ホルツマーデンの化石発掘についてご紹介いたしました。

前回の記事はこちら↓

 

mamadinosaur-europe.hatenablog.com

 

今回はその近くにあるハウフ博物館(Urwelt-Museum Hauff)についてご紹介いたします。

もし博物館と化石発掘を同じ日に行うのでしたら先にこちらの博物館に訪れることをお勧めします。

小さな博物館なので軽く見る程度でしたら1時間くらいで見終わると思います。

我が家も先にこちらの博物館を見学して目の保養をしてから発掘に向かいました。

(もちろん発掘の後にあーこんなん出なかったわ~と行くのもアリ。)

博物館から化石発掘場までは車で5分。

ハウフ博物館は化石収集家ハウフさんの私設博物館です。

ホルツマーデンの化石の中でも極上クオリティーの化石たちを見ることができます。

 

腹部に大量のベレムナイトが残るサメ。いやいや、食べ過ぎでしょ?

当時の生き物たちの復元模型が展示されています。

化石は板状なので棚田のように展示されています。オシャレです。

ホルツマーデンいえば魚竜。その美しさに圧巻です。

え、何この首長竜の腹肋骨。こんなにきれいに残るの?

こんなの初めて見たよ。すげー!

色はなくとも当時の生き物たちを彫刻のように美しく残す化石たち。

まるで自然のアートです。目の保養になります。

この魚竜はお腹の中に赤ちゃんが何匹か見えますね。

魚も鱗まで残っていて美しい。

ベレムナイトのタコみたいな部分ってこうなってんの?知らなかった!

ベレムナイトの軟体部分もホルツマーデンではきれいに残っている化石もあります。

アンモナイトの中に魚が入ってるの?

しかもネガポジ、わぉ!

世界最大のウミウリ。クリーニングに18年かかったらしい。

トイレもあります。踏ん張ってます。

外には恐竜もいます。

恐竜発掘もできますが、本物の化石探しができなくなるので早々に切り上げました。

 

いや~小さな博物館ですが極上化石を拝むことができて大満足でした。

化石発掘と一緒に是非お立ち寄りください!

 

ハウフ博物館(Urwelt-Museum Hauff)

ホームページはこちら↓

www.urweltmuseum.de

地図はこちら↓

化石探し①(ドイツ・ホルツマーデン編)

ヨーロッパでは有名な化石の産地がいくつかあります。

その中の数か所で実際に発掘をすることができるところがあります。

今回はその中の一つドイツのホルツマーデン(Holzmaden)の化石発掘をご紹介します。

 

ホルツマーデンといえばイクチオサウルス!絵画のように美しい漆黒の板状化石。

リビングの壁に飾っても美しいのでインテリアとしても人気があります。

歯だけでも出たらいいなぁ、なんて思いながら発掘現場へ向かいました。

発掘現場はだだっ広い畑の一角にあります。

場所はドイツ・シュトゥットガルトから車で東へ40分ほど行った小さな田舎町です。

畑の一角にありますが広くてわかりずらいのでナビを頼りに行く必要があります。

※この記事の最後に発掘現場の地図を載せておきます。

 

駐車場が発掘現場の脇にあるので車を止めて準備をします。汚れても良い服(できれば長袖・長ズボン)、軍手、ゴーグル、長靴(または登山靴)に着替えていざ受付へ!

こちらが受付。ここで入場料を払い道具を借りる。

ガチドイツ語のお父さんが受付してくれて料金は以下の通りです。

 

入場料 大人 4.00€ 子供 2.50€

レンタル料 ハンマーとチゼル 1.50€ ハンマーまたはチゼルのみ 1.00€

 

すごく良心的な価格です。

まだ子供たちが小さいので大人だけハンマーとチゼル2セット借りました。

薄い岩が何層にも重なっている。

このような地層は頁岩と呼ばれていて、この溝に沿ってチゼルを入れてハンマーで慎重に叩くと本のページを開いたようにパカッと割れます。

これがとても気持ちがいい!!

うまくいくと割れた反対側にも化石が残っていてネガホジとなりより貴重になります。

漆黒の母岩に輝く金色のアンモナイトが美しい。

ただ割れた岩はとても鋭利なので子供は注意が必要です。

その辺に割れた岩が落ちているのでケガをしないようにできるだけ肌を露出しない格好と少なくとも軍手の着用は必須です。

息子は同じような頁岩を誤って素手で触り手を切ってしまいました。注意してください。

(この日は子供たちにジャケットを着せていましたが暑くて脱いでしまった。まぁそうなりますよね...)

子連れで数組のファミリーが発掘に来ていました。

私たちがここに行ったのは10月末でシーズンの終わりのほうでしたが何組か発掘に来ていました。

夏になるとたくさんの家族連れが訪れるのでアイスクリーム屋さんのキッチンカーも来るようです。

業者と思われる人が車で乗り付けてガチ掘りしてた。いくらで売れるかなと余計な職業病。

黄金のアンモナイトばっかでもいいけど他のも欲しいよねと思っていたところ、パパがベレムナイトをゲット!

イクチオサウルスまでの道は中々険しい。

今回の戦利品。初回にしてかなりの満足感。

残念ながらイクチオサウルスにはお目にかかれなかったけど、たたくとざくざく出てくる黄金のアンモナイトに大人も子供も夢中になって探していました。

 

その後もいろいろな場所に化石探しに行きましたが、子供たちにとって形が分かりやすいアンモナイトは見つけやすく、骨の化石探しよりも夢中になっていたように思います。

特にここはハンマーでたたかなくてもその辺にもアンモナイトが落ちているので、歩いて探すだけでも楽しいと思います。

気軽に参加できるので興味のある方は是非行ってみてください。

 

ただし、冬季は閉まっているようなのでホームページで確認してから行ってください。

もらったチラシ。11月中旬から2月末までは閉鎖と書いてある。

ホームページはこちら↓

www.schieferbruch-kromer.de

 

ミクロピア(オランダ・アムステルダム)

こんにちわ!今日はオランダ・アムステルダムにミクロピア(Micropia)をご紹介いたします。

 

アムステルダムの動物園の別館の小さな博物館ですが、ここは世界的にも珍しい微生物をテーマにした博物館です。

 

中は暗いけどステンドグラスのように美しい微生物たち

入口には巨大なクマムシ

微生物という目に見えないものをテーマにしているので子供たちの食いつきはどうかなと思いましたが、入り口で渡されたコースターに顕微鏡で見た微生物をスタンプラリーしていくので案外飽きていませんでした。

そのスタンプがゆるくて可愛かった。

 

自分の体にどれくらい微生物が住んでいるかスキャンしています

ハキリアリもいます。キノコを育てています。

子供たちはピタゴラスイッチのハキリアリの歌が大好きなのでいつまでも見ていられます。

(ハキリアリはフランス・リールの自然史博物館でも見ることができます。)

下に水が流れていて逃げないようにしている

歯ブラシやぬいぐるみなどについている微生物を見ることもできます。あまり見たくないけど...

最後のコーナーでは食べ物を放置してどんな微生物が発生してどんな臭いになるのか実際に嗅ぐことができます。

なかなかできない体験なので興味はありましたが、私は鼻が敏感なのでやめときました。

オレンジジュースやイチゴがいつから放置されているか書いてある

画面にはハンバーガーを放置するとどうなるか、朽ちていく様子を見ることができる

カビをモチーフにした絨毯。不思議とオシャレに見える

マニアックではありますが刺激的で不思議な微生物の博物館ミクロピア

是非足を運んでみてください☺

(オランダミュージアムカード利用可)

あぁ、マニアックなクマムシのぬいぐるみ。もちろん即購入。

ミクロピア(Micropia)

ホームページはこちら↓

www.micropia.nl

地図はこちら↓

モナコ海洋博物館(モナコ公国)

今日はモナコ公国にあるモナコ海洋博物館(Museé océanographique de Monaco)をご紹介します。

海洋学者でもあったモナコ国王、モナコ大公アルベール1世により創設された博物館兼水族館です。

モナコの中でも人気の観光施設です。

それは王宮のような立派な建物です。

海をテーマにしたオシャレな講堂

水槽もあるので途中までは従来の水族館みたいな感じ。

妊娠中のタツノオトシゴのオス、ヨーロッパの水族館でわりとよく見かける

すごいのは水族館ゾーンに続く博物館ゾーン。国王のコレクションがクラシカルにオサレに展示されています。

ため息がでるくらい美しい展示

シャンデリアの似合うこと似合うこと

 

隣の船のコーナー、手すりが素敵

最後にこれは特別展(1年たった今でも行われている)のようですが、天井の高い大きな展示室でプロジェクションマッピングが行われていました。

手のマークが出てくるのでそこを手で触れると魚が近づいてきたり様々なアクションが起こります。

ド迫力のプロジェクションマッピング。よく見ると天井にクジラやイルカの骨格が追いやられてる。

氷の上を歩くと割れて、最後に雪山が雪崩になり海に飲み込まれる

等身大の自然の美しさ、迫力を疑似体験できる素晴らしい展示です。環境教育に関心の高いヨーロッパならではだと思います。この体験のために来てもいいと思えるくらい素晴らしかった。

子供たちは夢中で遊んで中々帰りたがりませんでした。

 

最後に忘れてはならないのがミュージアムショップ。

残念ながら写真は撮っていませんですが、まぁオシャレ。

ヨーロッパの博物館は総じて日本のほどショップに力を入れていないところが多いのですがここはどれもみんなオシャレだった。特にオリジナルグッズ。

こんなにオサレなタコのTシャツあります?

自由が丘のナチュラル系雑貨屋で売ってそうな、大人女子が普段使いできそうな、本当に博物館のオフィシャルグッズなの?と思うレベル。
個人的には今のところ、ミュージアムグッズにおいてはここがヨーロッパ1オシャレだと思います。

 

ただの水族館と侮るなかれ、ミュージアムグッズも充実しているオシャレ博物館。

ラグジュアリーなモナコ観光で子供も楽しい博物館はいかがですか?

 

モナコ海洋博物館(Museé océanographique de Monaco

ホームページはこちら↓

https://musee.oceano.org/

 

地図はこちら↓

 

ナツラリス自然史博物館(オランダ・ライデン)

オランダ・ライデン市にある自然史博物館ナツラリス(Naturalis Biodiversity Center)。

※読み方は日本語読みでナツラリスとナチュラリスと二つあるようです。

日本にいた時からずっと行ってみたかった博物館の一つです。

この博物館の目玉はティラノサウルス・レックスのTrix(トリックス)です。

あぁ、美しいTrix

ナツラリスの研究チームがアメリカで発掘し、ライデンまで持ってきて常設展示しています。

ヨーロッパには私が知る限りティラノサウルスの実物骨格標本が3体常設展示されています。

1体はドイツのベルリンにあるフンボルト博物館(Museum für Naturkunde)に展示されているTristan(トリスタン)、もう1体はドイツのデンケンドルフにあるアルトミュールタール恐竜博物館(Altmuehltal Dinosaur Museum)に展示されている若いティラノサウルスRockey(ロッキー)、そしてTrixです。

 

2021年にできた長崎市恐竜博物館にそのTrixのレプリカが展示されています。

長崎市とライデン市は姉妹都市で、尚且つ長崎市ティラノサウルス科の歯化石が発見されており深い関わりがあります。

nd-museum.jp

 

フンボルト博物館とアルトミュールタール恐竜博物館はまた違う機会に紹介させていただきます。

 

ここの博物館のすごいところは展示がめちゃくちゃおしゃれ♡

現代アートの美術館かなと思うほど従来の自然史博物館さ感がありません。

 

階段はめちゃくちゃ歩くけど、吹き抜けでオシャレ

もちろん恐竜のコーナーは言わずもなが最高なのですが、

私がお勧めしたいのはPOPな展示のこのコーナー。

原宿かな?ここは

もう可愛さが溢れています。でもすべて本物の標本です。

キャプションもケーキ屋さんみたいで可愛い

この部屋の外壁、ここもPOP

この展示室の隣には性をテーマにした展示もありますがこれもまたPOP。

子宮内の精子をいかに受精させるか競うピンボールゲームなんかもあります。

賛否はあるかもしれませんが実にコミカルに性を取り上げて身近なものにしていると思います。

この博物館を作るにあたって研究者とデザイナーの間で何年も話し合って意見をすり合わせていったそうです。

 

同じ建物の隣にはLive Science galleryがあり、その2階で化石のクリーニング作業を見学することができます。

私は行ったときはトリケラトプスをクリーニングしていて、現在常設展に展示されている化石の残りの部分だそうです。

クリーニング中のトリケラトプス

常設展示のトリケラトプス、実物とキャストで色を分けている

最終的に掘り出したすべての化石をくっつけて1体にするそうです。

クリーニング途中の状態で実物とまだ出てない部分をキャストとにして展示してしまうのはなかなか珍しいですね。

 

今までの自然史博物館のイメージを覆すような斬新な展示のナツラリス。

是非一度訪れてみてください!

 

ナツラリス自然史博物館(Naturalis Biodiversity Center)

ホームページはこちら↓

www.naturalis.nl

地図はこちら↓